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脳動脈瘤患者の看護(症状・看護計画・注意点)について

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脳動脈瘤の看護計画

脳動脈瘤とは、先天的に脳内の血管壁の中膜の欠損や脆弱部があり、高血圧などの後天的な要因が加わり脳の血管が袋状に膨らんでいる状態のことをいいます。

その動脈瘤の中には血液が満たされているため、破裂するとくも膜下出血を引き起こします

脳動脈瘤の治療方法としては、部位や大きさによっては定期的に検査し経過観察をする場合と、クリッピング術かコイル塞栓術という外科的治療を行う場合があります。

ここでは外科的治療を行う場合の脳動脈瘤の症状と看護計画についてご説明します。

1.脳動脈瘤の症状と看護師が注意しなければならない症状

脳動脈瘤の検査を受ける女性と男性医師

未破裂脳動脈瘤は自覚症状がないことがほとんどです。そのため、脳ドックなどの検査で初めて分かったという患者がとても多くいます。

しかし、まれに大きくなりすぎると脳神経や脳実質を圧迫し視野障害や麻痺、感覚障害を生じることがあります。

 

看護師はくも膜下出血の症状に注意する

未破裂動脈瘤で一番怖いのが、動脈瘤が破裂しくも膜下出血を起こすことであり、看護師はその症状に注意しなくてはなりません。

くも膜下出血を起こすと、約半数の患者が死亡するか社会復帰が困難な状況になると言われています。

未破裂の場合だとほとんど症状はないですが、

  • 激しい頭痛
  • 嘔吐
  • 瞳孔不同
  • 麻痺
  • 言語障害
  • 意識レベル低下

以上のことが急に起こると、くも膜下出血を起こした可能性があるためすぐに医師への報告が必要になります。

 

くも膜下出血を疑う場合は再破裂を防ぐため刺激が厳禁になります。

瞳孔不同などを確かめるために何度も目にライトを当てることが禁止となるため、瞳孔の確認は医師に任せた方が良いです。

 

2.脳動脈瘤の患者の看護計画

脳動脈瘤の手術をする医師

脳動脈瘤の患者の看護計画を、手術前と手術後の看護計画に分けてご説明します。

 

脳動脈瘤の手術前の看護計画

看護目標 安心して手術が受けれるように援助する
観察項目
(OP)
・バイタルサイン
・自覚症状
・頭痛、嘔吐の有無
・麻痺の有無
・視野障害の有無
・瞳孔不同、対光反射
・手術についての理解度、受け止め方
・不安、顔色
・睡眠状況
・家族のサポート状況
・食事摂取量
・排便状況
ケア項目
(TP)
・当日の手術の流れについて説明する
・剃毛など術前処置を行う
・不安なことや分からないことはないか声掛けを行う
・自覚症状がある場合は身の回りのことを介助する
・便秘時は医師の指示のもと緩下剤を配薬する
教育項目
(EP)
・手術に必要な物品を説明し準備してもらう
・不安なことがあれば何でも相談して良いことを説明する
・必ず禁煙するように指導する
・排便時に怒責をかけないように指導する

 

脳動脈瘤の手術後から退院までの看護計画

脳動脈瘤の手術はクリッピング術とコイル塞栓術があります。

クリッピング術は開頭して脳動脈瘤の根もとの部分をクリップではさみ、瘤の中に血液が入らないようにして破裂を防止する手術です。

コイル塞栓術は足の付け根の動脈から穿刺してカテーテルを挿入し脳の血管まで到達させ、脳動脈瘤の中にやわらかい金属性のコイルをつめることにより破裂を防ぐ手術です。

コイル塞栓術の方が侵襲が少ない治療法ですが、瘤の形によってコイル塞栓術ができない場合があり、形やできた部位によってこの2つの治療方法のどちらかが決定されます。

看護目標 異常の早期発見に努め予定通り退院できるように援助する
観察項目
(OP)
・バイタルサイン
・頭痛、嘔吐の有無
・対光反射、瞳孔不同
・麻痺の有無(徒手筋力テスト MMT)
・水分バランス
・呼吸音
・排便状況
・ドレーンからの排液量、色(クリッピング術)
・創部の出血、発赤(クリッピング術)
・鼠径部の穿刺部からの出血、発赤(コイル術)
ケア項目
(TP)
・点滴管理を行う
・ドレーン挿入時はドレーン管理(クリッピング術)
・医師の指示のもと水分バランスによって点滴の負荷や利尿剤の使用を行う
・ベッド上安静の時はナースコールが押せるように必ず患者の手元に置く
・離床可能になるまで身の回りの介助を行う
・術後初めて歩行する時は必ず付きそう
教育項目
(EP)
・何か症状の悪化や症状の出現があればすぐに知らせるように説明する
・術後初めて歩行する時は一人で歩行せず看護師が一緒に歩行することを説明する
・退院後も指示された内服や受診を守るように指導する
・退院後も引き続き禁煙と排便コントロールが必要なことを指導する

 

3.脳動脈瘤の患者の看護の注意点

脳動脈瘤患者を支える看護師

脳動脈瘤の患者を看護する際の注意点についてご紹介します。

 

術前はくも膜下出血の発見・予防に努める

脳動脈瘤の患者で術前に最も看護師が注意しなくてはいけないのはくも膜下出血です。

動脈瘤が破裂する危険性があることをしっかり考えて、前述のくも膜下出血の症状も頭に入れて観察し、異常の早期発見に努めることが重要です。

患者に対しても破裂を予防するために禁煙指導や排便コントロールについて説明することが必要です。

 

くも膜下出血のリスクを抱える患者への精神的ケアが必要

脳動脈瘤はくも膜下出血の原因となるため、自覚症状がなくても患者は急に死への恐怖が強くなります

手術をする場合でも経過観察をする場合でも、精神的サポートがとても大切です。

安心して手術まで過ごせるように患者の精神面に注意して看護していく必要があります。

 

術後は合併症の症状がないか観察する

脳動脈瘤の術後に看護師が注意することは術後の合併症についてです。

クリッピング術では術後出血、脳梗塞、脳浮腫の症状に注意し、コイル塞栓術では脳梗塞、穿刺部からの出血に特に注意して観察します。

 

術後の患者の転倒・転落を予防する

術後状態が安定し離床可能になった後も、歩行状態に注意して転倒転落がないように援助していくことが大切です。

特に高齢者の場合、術後のベッド上安静により筋力が低下します。

点滴も投与しており転倒の危険性が高いため歩行介助や環境整備を行い転倒転落を予防していくことも重要です。

 

まとめ

以下の文献を参考にさせていただきました。

脳動脈瘤はそれだけではほとんど症状がなく命に今すぐ関わるという病気ではありません。しかし、くも膜下出血の原因になる病気です。

そのことをしっかり頭に入れて患者を看護することが一番大切なことです。

そしてくも膜下出血を起こす可能性があるという恐怖、手術に対しての恐怖など患者や家族の病状の受け止め方をしっかり把握し患者に寄り添って看護することも重要な病気です。

この記事が少しでも脳動脈瘤の患者の看護に参考になれば幸いです。

 

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カテゴリー:脳神経疾患




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執筆者:sayo By「看護師疾患ジョブ」(公開日:

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