著作者

くるみん

現役看護師

くるみん

( 看護師 ケアマネージャー)

マイコプラズマ肺炎(小児)患者の看護(症状・看護計画・注意点)について

くるみん
現役看護師 くるみん
マイコプラズマ肺炎(小児)の看護計画

マイコプラズマ肺炎は、菌を口にしてしまうことによる接触感染によって感染します。そのため、保育園や幼稚園、学校での集団感染や家族みんなで感染してしまう家庭内感染を起こします。

好発年齢として、幼児から成人まで幅広く罹患しますが、特に学童期~青年期によく見られます。マイコプラズマ肺炎は、症状にも特徴を持ったものであり、診断がつけば適切な抗生剤の投与により、症状が良くなっていきます。

今回は、マイコプラズマ肺炎(小児)の症状、看護の注意点、看護計画について、詳しく説明していきます。

1.マイコプラズマ肺炎(小児)の症状

マイコプラズマ肺炎(小児)の症状

代表的な症状として、以下の通りです。

  • 発熱(37度~39度以上の高熱)
  • 激しい咳嗽(乾性咳嗽)
  • 咽頭痛
  • 鼻水、鼻づまり
  • 呼吸苦、喘鳴
  • 全身倦怠感
  • 関節痛
  • 目の充血
  • 嘔吐
  • 頭痛など

特徴的なものとしては、なかなか熱が下がらないことと、激しい咳嗽が継続してみられることです。

 

マイコプラズマ肺炎の特徴について

一般的な風邪の場合は、2~3日経過すれば解熱傾向に向かいますが、マイコプラズマの場合は1週間以上発熱していることがあります。

咳嗽も乾性咳嗽であることが特徴で、3~4週間程度続くこともあります。

咳嗽が長期化すると、湿性咳嗽に変化してくることもあるので注意が必要です。

補足説明!

補足事項
湿性咳嗽に変化してくると、痰や鼻水の量も増加してさらに呼吸苦なども見られるようになります。上記症状に対し、早期対応をしていかないと様々な合併症を引き起こす可能性があります。

 

2.看護師が注意しなければならない症状

看護師が注意しなければならない症状

マイコプラズマでは、肺炎だけでなくさまざまな合併症が起こります。これらを早期に発見し対応することが重篤化を予防する近道となります。

以下の症状には特に注意が必要です。

 

(1)意識障害の有無

熱があってぼーっとすることはありますが、いつもより反応が鈍かったり、意識が遠のいてしまったりと明らかにいつもと違う状態の場合、「脳炎や脳症」を起こしている可能性があります。

ひどくなると、けいれんを起こしたりすることもあるので、注意して観察し対応していかなければなりません。

補足説明!

補足事項
マイコプラズマは無菌性髄膜炎を引き起こす病原体の1つと言われており、発熱だけでなく、頭痛や嘔吐も見られる場合この症状を疑う必要があります。

 

(2)黄疸

「なんか、いつもより体が黄色い感じがする。」と患者や家族からの訴えがあったりした場合は肝機能異常がみられることがあります。

採血データなどを確認し、速やかに医師に報告しましょう。

 

(3)発赤疹、蕁麻疹

マイコプラズマのアレルギー反応として、皮膚の症状として発赤疹や蕁麻疹が出現することがあります。

中でも、多型滲出性紅斑といい丸く盛り上がった発赤疹が手足に見られることが特徴です。

このような症状が出現した場合は、まずは主治医に相談し、皮膚科にコンタクトを取るなどの対応が取られます。治療として、適切な軟膏や重症の場合、ステロイドの投与を行うことがあります。看護として、掻痒感や疼痛の看護もしっかり行うようにしていきましょう。

 

耳の痛み、耳垂れがあったら中耳炎の可能性もある

マイコプラズマが気道を通り、中耳に侵入することで中耳炎を発症します。耳の痛みや耳垂れの出現があった場合、中耳炎の可能性が高いため、すぐ主治医に相談し、耳鼻科へのコンタクトを依頼します。中耳炎では、耳垂れによる清潔保持の不良や聞こえにくさなどの症状も出現します。

必要に応じて清拭や更衣、シーツ交換などの環境整備や聞こえの状況の確認をしていきます。

 

3.マイコプラズマ肺炎(小児)の看護計画

マイコプラズマ肺炎(小児)の看護計画

それでは、マイコプラズマ肺炎に罹患し、入院になってしまった患者(患児)の看護計画について考えていきましょう。

 

#1呼吸困難

看護目標 ・肺でのガス交換が良好に保てる
・効果的な呼吸法ができる
OP
(観察項目)
 ・バイタルサイン
・呼吸状況(咳嗽、痰の有無・量、呼吸苦の有無)
・検査データ
・活動状況、意欲の状態
・睡眠状況(時間・途中覚醒の有無・深さ)
・患者(患児)の表情、訴え
・家族の表情、訴え
TP
(ケア項目)
 ・病室の環境整備を行う
(適切な温度・湿度を保つ)
・安楽な体位の工夫
(体位変換やベッドギャッジアップなど)
・状態の変化があった際はすみやかに医師に報告をする
・必要に応じて吸入・吸引の実施
・医師の指示の元酸素投与の実施
・医師の指示の元、薬剤の確実な投与を行う
(去痰剤、気管支拡張剤、抗生剤、ステロイドなど)
EP
(教育・指導項目)
 ・呼吸法や咳嗽時の対応について一緒に行いながら指導する
・喀痰の必要性や方法について説明する
・呼吸苦が出現した場合は我慢しないように説明する
・各処置実施については、必要性を説明する
・(成人の場合)禁煙について指導する
・家族も不安なことや心配なことがあれば相談するように説明する

 

#2不安

看護目標 ・不安なことを表出することができる
・心身ともに穏やかに過ごすことができる
OP
(観察項目)
 ・バイタルサイン
・呼吸状況
(咳嗽、痰の有無・量、呼吸苦の有無)
・活動状況、意欲の状態
・睡眠状況
・患者の表情、訴え、行動
・家族の表情、訴え
・病状に対する知識の程度
TP
(ケア項目)
・呼吸症状に対する対応を行う(#1参照)
・患者(患児)や家族の不安に思っている気持ちや訴えに傾聴する
・気分転換をはかる
・環境整備を行なう
・検査や処置は良く説明をし、手際よく行うよう努める
・今後の見通しについて、必要に応じ医師より説明を行う
・(小児の場合)面会時間の工夫
EP
(教育・指導項目)
・不安に思ってることがあればすぐに伝えるよう説明する
・医師の説明や検査などわからないところがあればすぐに聞くよう説明する
・(小児の場合)できるだけ家族につきそってもらう

 

#3治療・管理

看護目標 ・適切に治療を受けることができる
・感染に対する予防に取り組むことができる
・管理行動を継続していくことができる
OP
(観察項目)
・疾患や病状、治療に対する知識の程度
・患者(患児)の生活状況、環境
・日常生活の状況(1日の行動パターン)
・患者(患児)の身体状況(年齢、ADL、栄養状況など)
・治療に対する協力度
・適切な内服投与の有無
・家族の理解度の程度
TP
(ケア項目)
・正確な与薬を行う
(服薬方法の工夫:スポイトの使用、ペースト状にするなど)
・食事、水分摂取などできるだけ多く取り入れる
(患児の場合、家族の介助にて)
・環境整備を行う
(特に換気など)
・清潔を保つ
(保清、更衣、手洗い、口腔ケアなど)
・感染経路の遮断に努める
(スタンダードプリコーションの実践、面会の制限など)
・必要に応じて家族の協力を依頼する
EP
(教育・指導項目)
・服薬投与の必要性を説明する
・患者(患児)のペースに合わせる
・感染防御力を高めるために必要な、食事や睡眠をしっかりとるよう説明する
・保清や環境整備の必要性を説明する
・疾患や治療に対する知識を深めるためにパンフレットなどを用いて説明する
・感染予防の必要性を説明する
(隔離対応や面会時のマスクやガウンなどの着用、手洗い・手指消毒の徹底)

 

4.マイコプラズマ肺炎(小児)の看護の注意点

マイコプラズマ肺炎(小児)の看護の注意点

小児のマイコプラズマ肺炎を看護する場合の注意点を3つご紹介します。

 

(1)元々喘息持ちの場合は重篤化しやすいことを理解する

マイコプラズマ肺炎の特徴で咳嗽が長期に渡り続くことが多く、元々喘息持ちの患者は特に注意が必要です。マイコプラズマ肺炎による咳嗽のひどさから喘息を誘発することもあり、重篤化しやすい傾向にあるからです。

そうなると、マイコプラズマ肺炎の治療だけでなく、喘息の治療も合わせて行うことになるため入院が長期化する可能性があります。

ポイント!

ポイント
咳嗽が一向に収まらない、呼吸苦がある時(特に就寝時~夜中に悪化する場合)は早期に喘息発作出現を考慮し、医師に相談していくようにします。

 

(2)異常の早期発見・早期対応に努める必要がある

小児は生理機能が未熟であることから、外部環境からの刺激を受けやすく、バイタルサインが変動しやすいです。

また、言葉もうまく話せなかったり、未熟なところから訴えをうまく伝えることができないことがあります。そのため、よりこまめな観察を行い、異常の早期発見・早期対応に努めることが大切です。

免疫機能の弱い小児は、対応が遅れることで容易に重篤化することがありますので注意が必要です。

 

(3)患児にストレスの与えないような工夫を家族とも一緒に考える

小児の場合、普段家族といることが多い環境にいますが、入院という状況になることで、家族と離れなくてはならなくなります。

この状況になると、子供は不安になり、泣き出したり、効果的な治療ができなくなることがあります。

このような状態になった場合は、年齢に合わせた対応をすることが大切です。0~3歳位の子供には、抱っこやおんぶ、そばにいるなどの対応をしたりします。

3歳以上の子供の場合は、傾聴や気分転換(音楽、絵本、おもちゃなどの提供など)を行うとよいでしょう。

 

面会時間の工夫や必要性の説明も大事

その他、家族(親)との協力も必須で、できるだけ面会に来てもらったり、面会時間の工夫、治療の必要性を一緒に患児に説明するなど行っていきます。

できるだけ、患児にストレスの与えないような工夫を家族とも一緒に考えていきましょう。

 

まとめ

まとめ

今回はマイコプラズマ肺炎(小児)の看護について説明しました。マイコプラズマ肺炎は症状がつらく、長期化するため、苦痛な日々を過ごすことが多いです。いかに安楽に過ごすことができるかを考えていくこと、そして、患者(患児)だけでなく、家族(特に親)の看護も必要です。

疾患に対する理解を説明し、一緒に患者に(患児)に対し対応していくこと、協力してもらうことも完治するためには重要です。

小児看護への理解を深めるととも、疾患への対応を考えていけるとよい看護ができます。

 

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カテゴリー:小児疾患




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執筆者:くるみん By「看護師疾患ジョブ」(公開日:

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