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そらの

元看護師

そらの

( 看護師 )

小児患者へ看護師が声を掛けるポイント

そらの
元看護師 そらの

「子どもに対するコミュニケーションで悩んでいる」といった看護師も少なくないでしょう。

特に、乳幼児期の子どもの場合は泣きだしてしまうと正常値の測定ができなくなるため、あやしながら接することが大切です。

声掛けは、子どもたちと上手くコミュニケーションを図るためのきっかけにもなります。

ここでは、乳幼児の子どもに対する声掛けの具体的な方法についてご紹介します。

1.小児のバイタルサインを測定する際のポイント

小児のバイタルサインを測定する

まずは、小児のバイタルサインを測定する際の順番について確認しておきましょう。

子どもの場合は侵襲の少ない処置から始めるため、

  1. 呼吸
  2. 脈拍
  3. 体温
  4. 血圧
  5. 意識レベル

の順番で測定します。

文献によっては、体温と血圧が入れ替わっているものもありますが、体温計と血圧計どちらを怖がるか、子どもの様子を見ながら対応しましょう。

 

子どもが安心できる環境を整える

バイタルサイン測定は、突然子どもに近づいて始めてはいけません。

まずは、安心できる環境だということを認識してもらうため、保護者がいるのであれば付き添ってもらいましょう

看護師は、おもちゃを使いながら声掛けをし、子どもの不安な表情が和らいできたなと感じたら測定を始めます。

 

おもちゃを使った声掛けの例

例えば、アンパンマンの人形を使って

「こんにちは。(人形を見せながら)これだーれだ。(子どもの反応を見ながら)アンパンマンだね。アンパンマン好き?」

等バイタルサイン測定とは関係のない話からスタートします。

 

呼吸と脈拍(心拍数)は聴診器を使う

子どもの呼吸と脈拍を測定する際には、可能であれば保護者に座位で抱っこ(座位がまだできない子どもの場合は、ベッド上で仰臥位)してもらいましょう。

子どもの呼吸は、背部からの方が聞き取りやすいため、まずは背中に聴診器を当てながら呼吸数・呼吸音の確認をします。

 

聴診器を当てる際の声掛けの例

子どもへの聴診器を当てる際の声掛けは、

「もしもし、しようね。どうかな?元気かな?」

と言いながら聴診します。

 

乳幼児の場合は心拍数を測定する

小児科では乳幼児の場合、脈拍ではなく心拍数を測定します。

そのため、胸部に聴診器を当てて心拍数を数え、心雑音がないかなどチェックします。

「トントン(心臓の音)聞かせてね。」

と声掛けをしながら、素早く測定しましょう。

 

測定は素早く終わらせる

乳幼児期の場合は、バイタルサインの測定時間が長いとぐずってしまい、正常値を測ることが難しくなるため30秒間測定し、その数に2をかけて計算し素早く終わらせるようにしましょう。

特に、呼吸の場合は安静にしていないと測ることができないため、泣いているときは「啼泣中」と書いて次の測定に移りましょう。

 

ポイント!

ポイント

呼吸や脈拍(心拍)測定時、子どもが聴診器に興味を示して触ってくることがあるため、人形などに注目させながら測定すると良いでしょう。

 

体温測定は動作も行いつつ声掛けをする

体温を測定する際に使用する器機には、腋に挟むタイプのものや、おでこ・耳で測れるタイプのもの(非接触式体温計)があります。

脇に挟む体温計としては、水銀体温計や一般的な予測式電子体温計があり、

  • 水銀体温計の場合は約10分
  • 予測式電子体温計は電子音がなるまでの約1分
  • 非接触式体温計の場合は約1秒

程度の測定時間がかかります。

 

体温測定の際の声掛けの例

体温を測定するときには、まず

「ピッピしようね。お熱どれくらいかな?」

と、優しく語りかけましょう。

電子体温計の場合には、

「わきに、はさもうね。」

と声掛けし、軽く腕を抑えながら体温を測定します。

 

体温測定は子どもの気をそらして行う

子どもにとって体温測定の時間は、とても長く感じられるため体温測定に集中するのではなく、絵本を読むことやおもちゃで遊んで待つようにしましょう。

 

注意点!

注意点

耳で測定するタイプの体温計は、誤差がある場合もあります。

 

血圧計は怖いというイメージを無くす

血圧を測定する際は、水銀式血圧計もしくは電子血圧計を使用します。

水銀式血圧計も電子血圧計も、子どもにとっては大きくて知らないもので「怖い」と認識されるため、まずはゆっくりと血圧計に慣れさせることから始めましょう。

 

血圧を測定する際の声掛けの例

血圧計の送気球の部分を押しながら、

「しゅぽ、しゅぽ風がくるね。おもしろいね。」

と言いながら、子どもにも触らせます。

慣れてきたら、

「お手てに、まきまきしようね。」

と声掛けし、マンシェットを腕に巻きます。

 

測定中も空気の音の再現をする

空気を送っている間も、

「しゅっぽ・しゅっぽ。」

と声に出しながら測定を続け、終わって空気を抜くときには、

「しゅーっ。」

と空気が抜ける音を再現します。

できれば、機関車トーマスの絵を見ながら測定してみましょう。

 

ポイント!

ポイント

マンシェットのマジックテープを勢いよく外すと大きな音がして、この音を怖がる子どももいるため、ゆっくりと丁寧な行動を心がけましょう。

 

意識レベルのチェックは3段階で判断する

意識レベル(JCS)を測定する際、まずは3つの段階に分類して判断します。

  1. 刺激しないでも覚醒している状態
  2. 刺激すると覚醒するが刺激をやめると眠り込む状態
  3. 刺激をしても覚醒しない状態

「刺激しないでも覚醒している状態」であれば、あやすと笑うか母親と視線が合うかをチェックします。

この場合は、特に声掛けをしなくても判断できます。

 

「刺激すると覚醒するが刺激をやめると眠り込む状態」について判断する方法

まず、子どもの名前を呼びかけてみます

「〇〇ちゃん、目を開けることができるかな。」

と少し大きめの声で話しかけながら反応を確かめます。

応答すれば、飲み物や乳首を見せてほしがるかどうかチェックし、もし反応がなければ3段階へと移ります。

 

「刺激をしても覚醒しない状態」について判断する方法

まず、子どもの爪の部分を少し強めに抑えてみます

その際には、

「指先をおさえるよ。ちょっと痛いけどがんばろうね。」

と声掛けしてから、トライします。

 

ポイント!

ポイント
意識レベルをチェックするときには、できるだけ素早く行うことが大切です。

 

2.子供に注射・点滴をする際の声掛けのポイント

子供に注射・点滴をする際の声掛け

注射は、大人でも嫌いなものですから子どもが大泣きするのは当然です。

看護師が最初から「子どもだから理解できない。」と思うのではなく、子どもも協力してくれる場合があるため子どもに注射や点滴を始めるときには、理解できるように説明することが大切です。

 

注射をする場合

注射の場合は、子どもに、

「(お腹をさすりながら)〇ちゃんのお腹が痛いのは、お腹の中にバイキンマンがいるからなの。痛いのバイバイするためには、ここにチックンして、どんなバイキンマンなのかを探さないといけないの。チックンはちょっと痛いけど、がんばれるかな?」

と確認します。

 

点滴をする場合

点滴の場合は、子どもに薬の説明をします。

「〇ちゃんのお腹の中にいるバイキンマンをやっつけるためには、(点滴を指して)これを身体につなげておくと早く良くなるの。この中には、アンパンマンの仲間が入っているから、バイキンマンをやっつけてくれるのよ。」

など、笑顔で話しかけます。

許可が取れれば、

「ゴロンって寝てする?座ったままする?」

と聞き、本人の判断にしたがって実施します。

 

針を刺す際の声掛けの例

針を刺すときには、

「今からチックンするよ。泣いてもいいけど、じっとしてようね。」

と声掛けし、終了したら

「よくがんばったね。じっとしててくれたから早く終わったよ。ありがとう。」

と、協力してくれたことの感謝を伝えます

 

ポイント!

ポイント

この対応ができる子どもは、本人の性格や理解できる年齢に幅がある(私の経験では2歳半くらいからOK)ため、声掛けして反応を見ながら対応していきましょう。

 

3.子供に検査をする際の声掛けのポイント

子供に検査をする際の声掛け

検査には検体検査と生体検査があり、

  • 「検体検査」は血液などを採取して検査すること
  • 「生体検査」は、間接的に生体を調べる検査のこと(心電図やレントゲン撮影)

を指します。

子どもは、検査のとき初めて見る機械や身体に触れる感触などに驚いて恐怖心を抱くことがありますが、看護師の接し方によっては子どもの恐怖心を好奇心に変えることもできます。

看護師は、子どもと同じ目線に立って、楽しみを取り入れながら検査することが大切です。

 

心電図の場合

心電図の電極を取り付ける前に、

「これなーんだ?(胸をさしながら)ここにペッタンするシールなんだよ。」

と子どもに声掛けをしながら実際に触ってもらいます。

検査中は、モニターの画面を見ながら

「ピッ、ピッって動いてるね。」

と語りかけ、画面をチェックし体動が落ち着いていたらプリントアウトします。

 

レントゲンの場合

レントゲン撮影の場合、部室は薄暗く子どもには怖いと感じさせてしまうことがありますが、

「ちょっと暗いお部屋に入るけど、一緒にいるから大丈夫だよ。」

など事前に状況を伝えておくと良いでしょう。

幼児期後期くらいであれば、「今から暗い、洞くつに入っていくよ。」など、好奇心を誘うような声掛けをしてみましょう。

 

注意点!

注意点

検査が終わったら、子どもに必ずねぎらいの言葉をかけるようにしましょう。

 

4.まとめ

看護師にとっては、いつもの出来事でも子どもたちからすると初めての経験で戸惑っていることが多いため、子どもの目線で考えてみることが大切です。

バイタルサインや検査のときには、子どもに安静にしてもらうことにより正確な値を測定することができるため、迅速な行動と丁寧な声掛けが必要です。

乳幼児期の子どもに対する声掛けのポイントとしては、オノマトペを使って話しかけると伝わりやすく、少しでも子どもたちが安心して検査や治療を受けることができるように関わることが大切です。

子どもに対するコミュニケーションで悩んでいる看護師は、是非参考にしてみて下さい。

 

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カテゴリー:小児疾患




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執筆者:そらの By「看護師疾患ジョブ」(公開日:

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